コスメを見て回るのが好きな 小柏まき です。
この記事でも書いたように、素敵だと感じるものと出会うといつまでもずっと眺めていられそうな、傍から見たらオタク的な面が私にはあります。
病院に行くときに街に出るので、用事が済むとデパートの化粧品売り場『コスメカウンター』に行くことがあります。
とはいえ、BAさん(ビューティー・アドバイザー)に「今日はお休みなんですか?」「お仕事のときのメイクはどんな感じですか?」なんて訊かれると、「ええ、まぁ」「大したアレじゃないです」とかわけのわからないことを言って誤魔化しながら徐々に半歩ずつ移動して逃げる、という変な客なわけです。
「病気で働けていないんです」と言ってもいいのかもしれませんが、そうすると接客する側からしても、購入の見込みが薄いなと思いながら応対しなきゃいけなくなるので、当然面白くない感じが態度にも出てしまうんですよね。
だからといって、私がその場から居なくなったとしても他に相手に出来るお客さんがすぐ来るとは限らない田舎なので、相手をしてくれるとは思うのですが。他にお客さんが居るときは、できるだけBAさんを独占しないようにしています。
という風に、買わない客は買わない客なりに気を遣っているわけです。本来は欲しいものは少し迷って買えるくらいの財力があればいいのですが、仕方ないです。
昔は化粧品売り場の、というかデパートの店員さんって、結構見た目で接客態度を変える人が多かった印象だったのですが、近頃はそういう嫌な印象を受けることはほとんどありません。単純に、昔は私が若かったからとかメイクが下手だったからとかなのかもしれませんが、店員さんの質が上がったこともあるのかなと思います。
「どうせ何も買わないんでしょ」的な態度を取られるのが怖くて、編み出した方法があります。まず同じ階にある有名ジュエリーブランドへ行って、新作のカタログを貰います。それを持ってショーケースを見て回ると店員さんが「袋、お使いになりますか?」と言ってカタログを紙袋に入れてくれます。お礼を言ってジュエリーブランドから出てくると、もう他のお店の店員さんから見れば“有名ジュエリーの紙袋を提げた客”に見えるのです。姑息ですが、私はカタログは貰えるし店員さんには優しくされるし、店員さんは期待を持って接客できるし、誰も嫌な思いをしません。
店員さんの接客態度というのは、そのブランドによって結構違うので、教育の仕方が違うのだと感じます。
そんな中でも、どちらかというと価格設定がお高めで、元々はフランスの香水ブランドとして始まったコスメブランドがあります。私はそこで買い物をっしたのは、かなり前に一度くらいしかありません。ですが香水類がとてもいい匂いのものが多いので、いろんな香水を散々試させてもらって、何も買わずに帰ったことがあります。驚いたのは、その後そのブランドに新作コスメを見に行くと、BAさんの一人が憶えていて声を掛けてくれることです。「前は香水をお試しになった方ですよね」「また来てくださったんですね」と、マスクをしていても、髪型が違うときも、すっぴんに日焼け止めだけのときも、です。
このBAさんはベテランっぽいのですが、元々が美人なうえにメイクも綺麗にしていて、更に接客が素晴らしいです。一体彼女の記憶力はどうなっているのでしょうか?
もし次にこのブランドでお買い物できるときが来たら、このBAさんから買いたいと思わせてくれます。もっと言えば、彼女のように綺麗に聡明に年齢を重ねられたら素敵だなと、憧れてしまいます。