考えの調理場

不登校から教員免許取得。【反復性うつ病性障害&強迫性障害】女の、考えの調理場。

洗脳の方法~宗教もブラック企業も~

新卒で就職したところが老舗ブラック企業だった 小柏まき です。

 

 

前回記事に引き続き、今回も人の心の働きについてです。 

 

今回は入社したブラック企業の新人教育方法に触れつつ、巷で応用されているであろう洗脳方法を具体的に見ていきます。

 

目次

 

 

洗脳の手順

 

まずは、外界から隔離します。

外からの情報を断つことで意識が向く事柄が限定されていきます。また、比較対象が近場に無いことで現在の自分の置かれている環境や状態を客観視しづらくなります。

 

 

次に、心身共に弱らせます。

これは個人的には本当かどうか判別できないのですが、新興宗教の勧誘方法の中で見聞きしたことがありました。

身体を弱らせれば精神は不安定になりやすいので、身体を弱らせます。具体的には、食事の量や回数を減らして飢えさせたり、睡眠を妨害したりします。

そして心も弱り始めてから、人格を否定したり存在価値の無さを責めたりして精神的に追い詰めます。

 

 

冷静な判断力を失い、生命の危機を感じるようになったら、条件付きで欲求を叶えていきます。

教え通りに改心した言動をすれば、食事や睡眠を与えていき、衰弱から回復させます。

このときに、この報酬は教えに従ったから得られたものだと説きます。

 

これで、寝ることも食べることもままならず苦しかったときのトラウマを抱え、教えられたことは身を守るため・豊かな生活をするために大切なことなのだと思い込んだ状態が、ほぼ出来上がります。

人格否定され続けていた状態から、周囲に歓迎される存在にポジションを変えた体験によって、「今までの人生が間違っていた」「やっと目が覚めた」と感じるかもしれません。

 

 

最後に、隔離場所から解放して普通の生活に帰すのですが、世の中の一般的な暮らしなどの情報に触れると、自分が教え込まれたことに違和感を感じて遠ざかる原因になります。

そこで、定着・強化するための行動を取らせます。

それが、他者に教えを説くことです。そしてその行為に報酬は与えないことが重要です。報酬を与えると、その行為は報酬のためのものになってしまうからです。

 

私自身の社交不安障害を『報酬に見合わない労働には遣り甲斐を見出して納得する心理』に焦点を当てて扱った前回記事はこちら↓

ogasiwa-maki.hatenablog.com

 

 

宗教の勧誘の場合

 

実際に私自身が強く勧誘されたことはないので、テレビやインターネットの情報をもとに考えてみます。

人里離れた施設で山籠もりしたり、出家という形をとって今までの生活とは環境を変えたりするのは、日常的な情報を遮断するためなのでしょう。

このように洗脳の過程を踏まえれば、宗教の悪質な勧誘で「拉致されて攻撃された」という内容を聞く機会があるのは、それが許されることかどうかはさておき納得できます。 

そして何より、信徒による宗教の勧誘には、新規の入信者を増やす目的以外に勧誘している人の信仰心を強める効果があると言えます。

 

 

 

ブラック企業の場合

 

入社後すぐに、行ったことのない山中の施設に連泊し、30キロの山道をグループで競うウォークラリーをしました。

他には、散々大きな声を出させられたり、照明を落とした中で参加者同士が強い言葉を掛け合うなんてこともしました。

緊張感の中で寝起きし、ウォークラリーで体力を消耗し切って、いろんな話を聞き、いろんなことをしました。

 

後になって冷静に振り返れば、山中での合宿は外界からの隔離であり、疲弊したところで理念を説くのも含め、洗脳の方法をとっていたのだと思いました。

結局、身体を壊して退職しましたが、この会社で働いていた時期を思い出すと「楽しかった」という印象が強いのは、私自身の心の働きによるものなのでしょう。