透明水彩を始めたばかりの 小柏まき です。
今まで鉛筆で絵を描いたり、スマホのアプリを使ってデジタルイラストを描いたりしていました。YouTubeで水彩画を描く動画を観て、色を重ねたりするのが面白そうだと興味を持って、水彩絵の具セットをポチってから、初めての絵を描いてみるまでに数カ月かかりました。
うつ病の症状が快復してきたとはいっても、水を用意してどっしりと腰を落ち着けて絵を描くことを行動に移すまでが億劫でした。
目次
モチーフ選び
絵の具や筆の使い勝手を知るために、とりあえず何か描いてみたいと思いながら、何を描けばいいのかわかりませんでした。
初心者は、細かく輪郭を取らなければならないようなモチーフよりも、丸い果物などが描きやすいらしいので、リンゴの画像を見ながら描いてみました。
紙選び
なにせ絵と呼べるものになるかどうかわからないので、高価な紙を使うことに抵抗がありました。手元にある中で最も安い、100円ショップのらくがき帳を使うことにしました。紙の薄さと粗さが特徴だと感じたので、2枚重ねで使用してみました。
下描き
初めは下描きを鉛筆でしようかと思っていましたが、水や筆を準備していたらそのまま描き始めたくなったので、気負ってハードルを上げる工程は省くことにしました。
描いてみた感想
メインで使いたい色(赤)よりも、光の加減で所々に感じる色(黄色・青)を先に塗っておいて、その上からメインの色を重ねることで仕込んだ色をニュアンスとして透かすことができるのではないかと考えて、黄色や青の上に赤を重ねました。
赤を重ねてみると、思った以上に仕込みの色が強く出ました。乾かしてから再度赤を重ねてもあまり効果が無いように感じたので、次は白を重ねてから赤を重ねました。
左下の影の色も、どちらかというと紫っぽい暗い色にしようとして、あらかじめ薄く入れたつもりの黄色味が強く出てしまいました。
お試し感覚で絵の具を混ぜずに塗っていきましたが、パレットで混色してから塗った方が出したい色にできたのだろうと思います。
また、どれくらいの量の絵の具を水に溶き筆に含ませれば、どんな発色になるかが掴めていなかったために、初めに塗った色が濃かったのかもしれません。
透明水彩絵の具の白
透明水彩は、学用品の不透明水彩とは違ったよさがあるものです。小学校の図工の時間には、 “白い部分は白い絵の具で塗る” と指導されました。
実際の絵の具の違いは、色の素となる物質の含有量などが違うだけらしいのですが、透明水彩では「美しい白は紙の白である」という前提で、多めの水で溶いた淡い色味や "あえて塗り残す” 表現を楽しむことができるものです。
私は透明水彩を始めるにあたって、12色セットの絵の具を買いました。しかしそこには、白が入っていたのでした。使ってみるまでは、その理由がサッパリわかりませんでした。
今回の使い方が正当なものかどうかはわかりませんが、今回白が無かったら、困ったときに困ったままでいなければなりませんでした。
紙のジレンマ
一発目にして、私は『紙のジレンマ(画用紙のジレンマ)』を感じました。紙のジレンマとは……個人的に勝手に命名した、板挟みの状態を指す言葉です。
水彩画を始めた人がぶち当たる壁のひとつに、
[高価な水彩紙にいつか描くための練習を安価な紙でしようとしても、安価な紙に慣れるだけで、高価な紙は使い勝手が違う。]
[いい紙で練習したいのに、初めから高価な紙に描くことに抵抗がある(お金が掛かる)。]
というのがあると、聞いてはいました。
おそらく今回使った紙は、水も色素もよく吸い込み、吸い込んだら吐き出さないタイプでした。
だから先に吸い込んだ色が強く残り、水だけをつけた筆とティッシュで色を抜き取ろうとしても残り続けたのだと考えています。
↑描いた直後
↓乾いたあと
乾いてからの方が色が淡くなり、水を吸って伸びた紙が縮んでベコベコになりました。
乾いたらもっと色が薄くなってしまうかと思っていましたが、あまり変わらなかった印象です。
紙のうねりは想定していた通りでした。
気に入った筆
今回はA5の紙を使って、塗った面積も小さかったこともあって、6号の筆を便利に感じました。
また、下描きやペン入れの線が無い分、穂先がまとまりやすい毛質の筆が輪郭を取るのに調整しやすかったです。