考えの調理場

不登校から教員免許取得。【反復性うつ病性障害&強迫性障害】女の、考えの調理場。

透明水彩のはじめかた【体験談】

透明水彩初心者の 小柏まき です。

今回は透明水彩を始めるにあたって揃えた物や、経緯を具体的に記します。体験談としてお読みいただくもよし、これから水彩画にチャレンジしてみたい方は参考にしてくださるもよし、です。

 

目次

 

 

どれくらいの道具を揃えるべきか

絵の具・パレット(代用可)・筆・筆洗(代用可)・紙

これらがあれば、問題なく絵が描けます。

 

絵の具とパレット

まず最初に買ったのが、絵の具でした。

小学校の学用品として使っていた画材は、チューブの水彩絵の具でした。チューブの絵の具は大抵出す量を見極められなくて、後で継ぎ足して色味が変わってしまったり、パレットに余った絵の具を勿体なく感じながら洗い流した記憶があります。

また、銀色(金属)のチューブの絵の具は、蓋が固くて回らないときに無理矢理開けようとすると胴体部分が捻じ切れてしまったこともありました。そんなときのチューブを広げて内側を見ると、キャップがちゃんと閉まっていなかったせいか中の絵の具が乾燥して固まっているのでした。しかしキャップがちゃんと閉まらなかったのも、口部分に絵の具が付いて邪魔していたせいで、毎回口部分を綺麗に拭かなかったのが原因だったんですよね。

今になってみれば、学用品の水彩絵の具は[不透明水彩(ガッシュ)]と呼ばれるもので、塗り重ねると後から塗った色で下の色を覆い隠すことができます。

私がこの記事で扱うのは[透明水彩]です。淡い透け感のある絵を描くのに適した画材で、重ね塗りをしても下の色は覆い隠されず、半透明の色を重ねていくことができます。また、透明水彩絵の具は乾燥しても水で綺麗に溶かすことができるので、パレット上の絵の具も乾燥させて何度でも使うこともできます。

YouTubeを見て知ったのが、固形水彩という絵の具の存在でした。ネットで買える商品レビュー動画だったのですが、チューブよりも使い勝手がよさそうでした。何よりきれいな見た目に憧れてしまい、買ってみようかと数カ月迷ってから購入しました。

 

 

多少奮発した価格の絵の具を買った動機は、色が綺麗じゃないと意味がないと思ったからです。とはいえ使ってみなければ色の良し悪しはわかりません。そこで、沢山絵を描いている人のレビューを信頼してみることにしたのでした。

 

商品画像からもわかるように、絵の具が仕舞ってあるプラスチック製の箱を開けると、蓋の部分がパレットになります。コンパクトで可愛いです。しかしながら、いざ絵を描くとなるとパレットの仕切りの数が少なく、場所も小さいため、100円均一で折り畳み式のパレットを買い足しました。

パレットに関しては、絵の具と水を混ぜられればいいので、耐水性の材質で筆で撫でても筆の毛が傷まない形状の物なら何でもいいのだと思います。食事に使わなくなったお皿でもいいですし、お惣菜や卵のパックなどを使い捨てにすることもできるでしょう。

 

 

絵の具購入後も透明水彩の絵を描く動画を幾つか見ました。情報が偏らないように、複数のチャンネルで何人もの人の説明を聞きました。

 

そこで気になったのが、白い絵の具についてです。

どの人も必ず言うのが、「透明水彩では美しい白は紙の白で、白くしたい部分は最初から絵の具を乗せない。」という内容です。

どうしても後からハイライトを白く入れたいときには、不透明水彩絵の具の白を使うそうです。

また、淡い色を表現したいときには、絵の具を溶く水の量を多くすることで薄く透かして塗ります。つまり、白い絵の具を他の色に混ぜて色を作ることは、基本的には無いらしいのです。

……私が注文した12色セットの透明水彩絵の具、12色しか入っていないのに白が入っています。12分の1、透明水彩の白です。暫くは白い絵の具の存在が解せすに、届いた絵の具の白を開封すべきかどうか、迷いました。

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調べたり人に訊いたり使ってみたりしているうちに、白の使い方がなんとなくわかったような気がしました。

個人的に使ってみた感じです。塗った色が鮮やかすぎて浮いて見えるときなどに、塗って乾いた色の上から白い絵の具を重ねて塗ると、彩度を低くすることができると感じました。本当に塗ったかどうかわからないくらいにも見えるのですが、感覚的にまろやかになりました。

この効果を応用して、暗い色で広い面を塗った後に明るい色を乗せたいとき、間に白を塗る工程を挟むことで後から塗る色が発色しやすいようです。

他には、淡い色でべた塗りしたいときに白を混ぜて色を作っておくと、水で薄めただけで塗るよりもムラになりにくい。ですとか、描きたい物が重量感のある白い物体であるとき、紙の白で表現するよりも重みや存在感を表せる。などの使い道があるそうです。

「どうして皆が口を揃えて “使わない” と言っている透明水彩の白が12分の1を占めてしまっているんだ」「セットに入っていない色を単色買いして白と入れ替えてやろうか」などと思って、ごめんよ白。と、今では思っています。

ちなみに別の12色セットでは入っている色が異なっていたりして、白が入っていないセットもあったことを購入後数カ月して知りました。

 

筆の大きさ・本数・毛の質

複数人の水彩画関係の初心者向け動画で、筆の選び方を扱っているものが幾つかありました。そこで、水彩画の教室を持っていて教えている先生が、「大は小を兼ねる」と言っていました。絵を描くには必要な分だけの絵の具を用意して塗らなくてはいけませんが、水や絵の具をパレットに持ってくるにも小さい筆では手数ばかり掛かって埒があかないと、実演していました。その先生が薦めていたのが20号の丸筆でした。

画材を扱っているお店に行ったときに、20号の筆の実物を手に取ってみて、その大きさにちょっとビビりました。想像以上のサイズ感だったのです。

思い返せばその先生は風景画を描く動画を多く上げていて、A4サイズくらいの紙にそれなりの大きさの絵を描いていました。広範囲を塗る作業がある前提で話していたのだと思いました。しかし感化されやすい私は、号数を下げても少し大きめくらいの筆を買おうと思いました。「大は小を兼ねる」という言葉が頭にありました。

16号天然毛の筆を、見た目と価格で選びました。

 

更に、行った店舗では取り扱いのない筆のレビューが気になり、10号の人工毛の筆をネットで注文しました。

せっかくなのでここで、水彩紙と筆洗も一緒にポチることで送料無料にしました。

 

そして更にしばらくしてから、画材店に行ったときにたまたま見かけた[やや毛に難あり]の20%引きの筆を数十分迷った挙句、店員さんに「[やや毛に難あり]って、どの辺が難なのかってわかりますか?」と訊いてみたところ、親切に担当さんに聞きに行って教えてくれたので、ルンルンで買いました。どうやら “難” とされていたのは破損などではなく、筆の毛を固めて売られているのがほぐされてしまっていただけだったそうです。使う分には全く問題なく値引きされている物に出会えたのはラッキーでした。

 

そうやって訳もわからず数本の大きさと材質違いの筆を幾つか揃えてみました。

 

何度か使ってみた感想としては、「大は小を兼ねることもある」「大は小を兼ねる部分もある」というのが水彩用の筆の適切な表現だと思います。本当に純粋に「大は小を兼ねる」だとしたら、小さい筆を持つ理由はありません。大きな筆でも穂先がまとまって細く描くことができるものもありますが、小さい筆には、安定した細さで描きやすいとか、小さな面に対して少量の絵の具と水で無駄なく描けるとか、そういった便利さがあると思います。

そして筆の毛の柔らかさ(硬さ)やまとまり具合は、ある程度使ってみると自分の好みの物がわかってきました。私は最初の筆を買ってから数カ月して、結局セット売りしている筆を買い足して、とても重宝しています。

とりあえず描き始めるのに、突然大きな絵に挑戦する人は少ないと思います。また、いつまで描き続けるかわからないのに急に高価格な道具を揃える人も少ないのかなと考えると、まずはセット商品を手に取ってみるのが無難なのではないでしょうか。過去の自分に助言できるとしたら、ターレンス水彩用 ヴァンゴッホ ビジュアル筆セットをお勧めします。

 

 

筆洗

水を入れて筆を洗ったり、絵の具を溶くための水を筆で持ってきたりするのに使います。

水を溜めておく場所が2~3個あればいいので、筆洗という商品を調達しなくても、空き瓶や上部を切った牛乳パックを再利用することもできます。

 

ネット通販で買い合わせた水彩紙は、少し慣れてから使うことにして、まずは気軽に試し描き出来るように100円均一で売っているスケッチブックを使ってみることにしました。とはいえ、安ければ何でもいいわけでもありませんでした。文房具屋さんで売っているような普通の画用紙のものがいいなと思っていたので、ダイソーとマルマンがコラボしているスケッチブックを選びました。

マルマンとは、お絵描きに興味がある人なら目にしたことがある有名なスケッチブックを作っている会社です。100円均一にコラボ商品を置いてくれるなんて手に入りやすくて有り難い話です。低価格なためサイズが小さめですが、私のようにちゃんとした絵が描けるかどうかわからないまま描き始めるにはハードルが低くて調度いいです。

ちなみにダイソーのものと表紙違いで、セリアからもマルマンコラボのスケッチブックが販売されています。

 

紙は “水彩紙” と呼ばれるものにも種類がいろいろあって、いまだに「これが自分に合っている!」と思えるものと出会えていません。水彩紙には、「ちょっと高いな」から「いや高すぎて無理だわ」までの価格があります。なのであまり気軽に試してみられないのです。

こればかりは、どんな絵が描きたいかによって、用途に合う紙かどうか使ってみなければわからないのかもしれません。今のところ私は、ほとんどの場合は普通の画用紙のスケッチブックに描いています。

どうやら、水をたっぷり使って滲みやグラデーションを楽しみたいという用途には、コットン製のものがよく、表記されているグラム数が大きいほうが厚くてしっかりした紙らしいです。

 

この、ホルベイン ウォーターフォード水彩紙 ブロックのF2という小さい方から2番目のくらいのサイズのものに手を出そうとしている今日この頃です。

 

 

近頃では、絵の具で遊ぶことが日常になりつつあります。楽しいために描ければいいなと思っているので、描いた絵もブログに載せていこうかな……。よかったら見てやってください。