考えの調理場

不登校から教員免許取得。【反復性うつ病性障害&強迫性障害】女の、考えの調理場。

苺の水彩画(途中経過あり)・疾患とブログと絵

ちょこちょこ絵を描いている 小柏まき です。

描いた絵を載せていきたいと思います。

幾つか描いたのですが、1月5日が『いちごの日』だということで、その日にTwitterに載せた苺の絵を、せっかくなので今月中にこのブログにも貼っておきます。 

 

スケッチブックはダイソーで買った、マルマンのコラボ商品です。122mm×174mmサイズの黄色い表紙のものです。

 

絵の具の白は使わずに、白い部分は何も塗らずに画用紙の白を活かして、明るい色の部分は絵の具を薄く塗って仕上げたかったので慎重に塗り重ねていきました。

様子を見ながらいろんな色を使っています。黒っぽい、影や暗い色は、幾つか色を混ぜたり重ねたりして作っています。

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いちご

 

うつ病が快復してきたときに始めた、このブログ。今回のこの記事が100件目だそうです。

文字は読めるけど文章が頭に入ってこない時期や、言葉が出てきづらい時期は、今でもたまにあります。

しかし、手が思うように動かなくて文字も絵もまともに描け(書け)ない時期が長かったので、絵をアナログで描いて気ままに楽しめる今のようなときが来るとは、気力や集中力の面でも想像していませんでした。

社交不安障害に含まれる範囲かどうかわかりませんが、下手な絵を人目に触れるところに載せるのが恥ずかしいです。過去には短時間で描いた絵を、当時は絵が描けたのが嬉しくて投稿していましたが、思い返すと削除したくなります。ですがそのままにしておこうと考えているのは、今や今後のハードルを下げるためです。

強迫性障害が「お金で買う価値のある紙を、私が使って絵を描くことでその価値を奪ってしまうんじゃないか?」と顔を覗かせても、楽しむこと・自分を楽しませることができれば、私にとってその体験は価値あるものなのです。

過ごしてみるものだなぁと思います。

透明水彩のはじめかた【体験談】

透明水彩初心者の 小柏まき です。

今回は透明水彩を始めるにあたって揃えた物や、経緯を具体的に記します。体験談としてお読みいただくもよし、これから水彩画にチャレンジしてみたい方は参考にしてくださるもよし、です。

 

目次

 

 

どれくらいの道具を揃えるべきか

絵の具・パレット(代用可)・筆・筆洗(代用可)・紙

これらがあれば、問題なく絵が描けます。

 

絵の具とパレット

まず最初に買ったのが、絵の具でした。

小学校の学用品として使っていた画材は、チューブの水彩絵の具でした。チューブの絵の具は大抵出す量を見極められなくて、後で継ぎ足して色味が変わってしまったり、パレットに余った絵の具を勿体なく感じながら洗い流した記憶があります。

また、銀色(金属)のチューブの絵の具は、蓋が固くて回らないときに無理矢理開けようとすると胴体部分が捻じ切れてしまったこともありました。そんなときのチューブを広げて内側を見ると、キャップがちゃんと閉まっていなかったせいか中の絵の具が乾燥して固まっているのでした。しかしキャップがちゃんと閉まらなかったのも、口部分に絵の具が付いて邪魔していたせいで、毎回口部分を綺麗に拭かなかったのが原因だったんですよね。

今になってみれば、学用品の水彩絵の具は[不透明水彩(ガッシュ)]と呼ばれるもので、塗り重ねると後から塗った色で下の色を覆い隠すことができます。

私がこの記事で扱うのは[透明水彩]です。淡い透け感のある絵を描くのに適した画材で、重ね塗りをしても下の色は覆い隠されず、半透明の色を重ねていくことができます。また、透明水彩絵の具は乾燥しても水で綺麗に溶かすことができるので、パレット上の絵の具も乾燥させて何度でも使うこともできます。

YouTubeを見て知ったのが、固形水彩という絵の具の存在でした。ネットで買える商品レビュー動画だったのですが、チューブよりも使い勝手がよさそうでした。何よりきれいな見た目に憧れてしまい、買ってみようかと数カ月迷ってから購入しました。

 

 

多少奮発した価格の絵の具を買った動機は、色が綺麗じゃないと意味がないと思ったからです。とはいえ使ってみなければ色の良し悪しはわかりません。そこで、沢山絵を描いている人のレビューを信頼してみることにしたのでした。

 

商品画像からもわかるように、絵の具が仕舞ってあるプラスチック製の箱を開けると、蓋の部分がパレットになります。コンパクトで可愛いです。しかしながら、いざ絵を描くとなるとパレットの仕切りの数が少なく、場所も小さいため、100円均一で折り畳み式のパレットを買い足しました。

パレットに関しては、絵の具と水を混ぜられればいいので、耐水性の材質で筆で撫でても筆の毛が傷まない形状の物なら何でもいいのだと思います。食事に使わなくなったお皿でもいいですし、お惣菜や卵のパックなどを使い捨てにすることもできるでしょう。

 

 

絵の具購入後も透明水彩の絵を描く動画を幾つか見ました。情報が偏らないように、複数のチャンネルで何人もの人の説明を聞きました。

 

そこで気になったのが、白い絵の具についてです。

どの人も必ず言うのが、「透明水彩では美しい白は紙の白で、白くしたい部分は最初から絵の具を乗せない。」という内容です。

どうしても後からハイライトを白く入れたいときには、不透明水彩絵の具の白を使うそうです。

また、淡い色を表現したいときには、絵の具を溶く水の量を多くすることで薄く透かして塗ります。つまり、白い絵の具を他の色に混ぜて色を作ることは、基本的には無いらしいのです。

……私が注文した12色セットの透明水彩絵の具、12色しか入っていないのに白が入っています。12分の1、透明水彩の白です。暫くは白い絵の具の存在が解せすに、届いた絵の具の白を開封すべきかどうか、迷いました。

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調べたり人に訊いたり使ってみたりしているうちに、白の使い方がなんとなくわかったような気がしました。

個人的に使ってみた感じです。塗った色が鮮やかすぎて浮いて見えるときなどに、塗って乾いた色の上から白い絵の具を重ねて塗ると、彩度を低くすることができると感じました。本当に塗ったかどうかわからないくらいにも見えるのですが、感覚的にまろやかになりました。

この効果を応用して、暗い色で広い面を塗った後に明るい色を乗せたいとき、間に白を塗る工程を挟むことで後から塗る色が発色しやすいようです。

他には、淡い色でべた塗りしたいときに白を混ぜて色を作っておくと、水で薄めただけで塗るよりもムラになりにくい。ですとか、描きたい物が重量感のある白い物体であるとき、紙の白で表現するよりも重みや存在感を表せる。などの使い道があるそうです。

「どうして皆が口を揃えて “使わない” と言っている透明水彩の白が12分の1を占めてしまっているんだ」「セットに入っていない色を単色買いして白と入れ替えてやろうか」などと思って、ごめんよ白。と、今では思っています。

ちなみに別の12色セットでは入っている色が異なっていたりして、白が入っていないセットもあったことを購入後数カ月して知りました。

 

筆の大きさ・本数・毛の質

複数人の水彩画関係の初心者向け動画で、筆の選び方を扱っているものが幾つかありました。そこで、水彩画の教室を持っていて教えている先生が、「大は小を兼ねる」と言っていました。絵を描くには必要な分だけの絵の具を用意して塗らなくてはいけませんが、水や絵の具をパレットに持ってくるにも小さい筆では手数ばかり掛かって埒があかないと、実演していました。その先生が薦めていたのが20号の丸筆でした。

画材を扱っているお店に行ったときに、20号の筆の実物を手に取ってみて、その大きさにちょっとビビりました。想像以上のサイズ感だったのです。

思い返せばその先生は風景画を描く動画を多く上げていて、A4サイズくらいの紙にそれなりの大きさの絵を描いていました。広範囲を塗る作業がある前提で話していたのだと思いました。しかし感化されやすい私は、号数を下げても少し大きめくらいの筆を買おうと思いました。「大は小を兼ねる」という言葉が頭にありました。

16号天然毛の筆を、見た目と価格で選びました。

 

更に、行った店舗では取り扱いのない筆のレビューが気になり、10号の人工毛の筆をネットで注文しました。

せっかくなのでここで、水彩紙と筆洗も一緒にポチることで送料無料にしました。

 

そして更にしばらくしてから、画材店に行ったときにたまたま見かけた[やや毛に難あり]の20%引きの筆を数十分迷った挙句、店員さんに「[やや毛に難あり]って、どの辺が難なのかってわかりますか?」と訊いてみたところ、親切に担当さんに聞きに行って教えてくれたので、ルンルンで買いました。どうやら “難” とされていたのは破損などではなく、筆の毛を固めて売られているのがほぐされてしまっていただけだったそうです。使う分には全く問題なく値引きされている物に出会えたのはラッキーでした。

 

そうやって訳もわからず数本の大きさと材質違いの筆を幾つか揃えてみました。

 

何度か使ってみた感想としては、「大は小を兼ねることもある」「大は小を兼ねる部分もある」というのが水彩用の筆の適切な表現だと思います。本当に純粋に「大は小を兼ねる」だとしたら、小さい筆を持つ理由はありません。大きな筆でも穂先がまとまって細く描くことができるものもありますが、小さい筆には、安定した細さで描きやすいとか、小さな面に対して少量の絵の具と水で無駄なく描けるとか、そういった便利さがあると思います。

そして筆の毛の柔らかさ(硬さ)やまとまり具合は、ある程度使ってみると自分の好みの物がわかってきました。私は最初の筆を買ってから数カ月して、結局セット売りしている筆を買い足して、とても重宝しています。

とりあえず描き始めるのに、突然大きな絵に挑戦する人は少ないと思います。また、いつまで描き続けるかわからないのに急に高価格な道具を揃える人も少ないのかなと考えると、まずはセット商品を手に取ってみるのが無難なのではないでしょうか。過去の自分に助言できるとしたら、ターレンス水彩用 ヴァンゴッホ ビジュアル筆セットをお勧めします。

 

 

筆洗

水を入れて筆を洗ったり、絵の具を溶くための水を筆で持ってきたりするのに使います。

水を溜めておく場所が2~3個あればいいので、筆洗という商品を調達しなくても、空き瓶や上部を切った牛乳パックを再利用することもできます。

 

ネット通販で買い合わせた水彩紙は、少し慣れてから使うことにして、まずは気軽に試し描き出来るように100円均一で売っているスケッチブックを使ってみることにしました。とはいえ、安ければ何でもいいわけでもありませんでした。文房具屋さんで売っているような普通の画用紙のものがいいなと思っていたので、ダイソーとマルマンがコラボしているスケッチブックを選びました。

マルマンとは、お絵描きに興味がある人なら目にしたことがある有名なスケッチブックを作っている会社です。100円均一にコラボ商品を置いてくれるなんて手に入りやすくて有り難い話です。低価格なためサイズが小さめですが、私のようにちゃんとした絵が描けるかどうかわからないまま描き始めるにはハードルが低くて調度いいです。

ちなみにダイソーのものと表紙違いで、セリアからもマルマンコラボのスケッチブックが販売されています。

 

紙は “水彩紙” と呼ばれるものにも種類がいろいろあって、いまだに「これが自分に合っている!」と思えるものと出会えていません。水彩紙には、「ちょっと高いな」から「いや高すぎて無理だわ」までの価格があります。なのであまり気軽に試してみられないのです。

こればかりは、どんな絵が描きたいかによって、用途に合う紙かどうか使ってみなければわからないのかもしれません。今のところ私は、ほとんどの場合は普通の画用紙のスケッチブックに描いています。

どうやら、水をたっぷり使って滲みやグラデーションを楽しみたいという用途には、コットン製のものがよく、表記されているグラム数が大きいほうが厚くてしっかりした紙らしいです。

 

この、ホルベイン ウォーターフォード水彩紙 ブロックのF2という小さい方から2番目のくらいのサイズのものに手を出そうとしている今日この頃です。

 

 

近頃では、絵の具で遊ぶことが日常になりつつあります。楽しいために描ければいいなと思っているので、描いた絵もブログに載せていこうかな……。よかったら見てやってください。

【絵】自分を納得させるまで

少し前に鉛筆画にハマった 小柏まき です。

前回、リアルな人物の顔を描こうと挑戦してみて、出来上がりを見てみると参考にしていた画像とだいぶ違っていると感じました。一言でいえば、似ていない感じがしました。しかしながら、4Bの鉛筆をカッターで削ることから始めて、A4サイズのケント紙に収まる大きさに見た画像を頭の中で変換(拡大)して描いていき、デッサン用の練り消しを使って消すというのを、完成までやってみられたというのが自分の中では大きな達成感がありました。

うつ病で、身体が怠かったり痛かったりしない時間がなかった頃には出来ないことでした。また、集中力と気力が続くかどうかはやってみるまでわかりませんでした。

私は反復性うつ病性障害で、うつ病とそうでない時期を繰り返してきました。記憶も壊れている部分が多くて、自分が繋がって生きてきている感覚はあまりありません。

比較的小さな絵をちょこちょこ描くことを手遊び的にしていましたが、前回の鉛筆画は私にとっては大きな絵の部類でした。をれを自分なりに完成させられたことで、「描ける今のうちにもう一つくらい描きたい」と思いました。

前回の絵の目標が[完成させること]だったのに対して、今回は[何度でもやり直そう]という気持ちでした。

とはいえ一番の動機は、達成感でも生き急ぐつもりでもなくて、絵を描いている時間が楽しかったことでした。

 

 

モデルになる人を探していましたが、例えば歌手のジャケット写真のように写真自体に馴染みがあり過ぎると、描きたい欲求が掻き立てられませんでした。だからといって女優さんの写真を探すと、雑誌に使われた画像などが見つかります。雑誌のコンセプトに合ったメイクや髪型の女優さんは魅力的なのですが、その人らしさよりもトレンド感を強く感じて、これもまた描きたいと思えなくなってしまいました。何故ここまで私がわがままに自分の欲求に従うかというと、絵を描く目的の中で一番大切にしているのが、自分を楽しませることだからです。

モデルさん、モデルさん……と考えていたときに浮かんだのが、Twitterで繋がりを持ってもらっている えみりさんでした。彼女はプロのモデルさんで、とても魅力的な個性の持ち主でした。

前回は勝手がわからず鉛筆を一本しか使いませんでしたが、せっかく色々な濃さ・硬さの鉛筆が売っているのだから、少し買い揃えて使ってみることにしました。

 

 

全体を描いてみると、またしても元の参考画像とまったく違った印象の顔が描けてしまいました。全然違うのに、どこが違っているのかわからない。客観視するために、写真を撮って時間を置いて見てみました。この写真を撮って見るというのが私にはわかりやすくて、完成するまでに何度も、撮っては見るを繰り返して描き直しました。

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前回は指やティッシュペーパーでぼかしていたのを、広い面はティッシュペーパーで、細かいところは綿棒でぼかしてみました。

[何度でもやり直そう]として、描いてぼかしては消して、また描いてなど何度も繰り返しました。

使っているのはケント紙で、ケント紙は目が細かくて丈夫な紙です。ですが何度も描き直していたら、表面の質感が変わってきてしまった部分がありました。当たり前ですが無限の耐久性があるわけではなく、ケント紙の限界を確かめることになりました。

 

また、鉛筆で描いた紙の上で手を動かして別のところを描いていると、手の小指側の側面で擦れてしまうのが気になったので、紙よりひと回り小さな透明の下敷きを手の下に置くことで解消しました。

 

 

使った道具

鉛筆:3H,2H,H,F,HB,B,2B,3B,6B

紙:ケント紙A4

練り消し,ティッシュペーパー,綿棒,透明の下敷きB5,カッター

 

鉛筆は三菱ハイユニを中心に使い、少しずつ買い足しました。FやHの違いがよくわからず揃えていませんでしたが、絵が出来上がりに近付くにつれてHBの使い勝手のよさに気が付いて、もう少し硬い芯の物が欲しくなりました。6Bは興味本位で買って使ってみましたが、特に「これでなくては!」と感じる機会はありませんでした。

 

 

出来上がりが近くなってきてからの数日は、なかなか気になるところが無い状態にならずに、描き進める作業というよりは直す作業が続いて、楽しさよりもツラさが勝ってしまう感じがしました。そういうときは、楽しむために描いているのに本末転倒なので、敢えて触らない日を設けました。

 

SNSに写真のようなリアルな鉛筆画を載せている方は、パーツの位置や形や大きさを直す作業が必要ないように、トレース台を使っていたりグリッド線を引いたりというちゃんとした手順を踏んでいるそうです。

実は私がたまに行く画材屋さんにもトレース台は売っていました。専用の道具を使い、正攻法でやれば、ケント紙の限界なんて垣間見なくて済むのは、薄々気づいていました……。

それでも私が時間と手間を掛けたのは、写真のようなリアルな作品を描くことよりも、形を捉える能力を少しでも鍛えたかったからでした。

 

小学4年の途中から中学卒業まで不登校だった私は、その間の図工や美術の授業を受けていません。自力で絵を沢山描いてきた人とも違い、人生で絵が描ける時間は少ないと思います。

今回の鉛筆画を描くことで、この作品を完成させることと同時に、形を捉える力をつけて次なる絵に生かせたらいいなという気持ちがあったのでした。

 

「もう完成でいいだろう」と思うのに、なかなか完成しない。自分が納得するかどうかの問題なのですが、自分を納得させることこそが難しかったです。結局、気が済むまでやるしかありませんでした。

 

1ヶ月以上掛かって出来上がったのがこちらの鉛筆画です。

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自分の中では史上最高の出来です。

モデルの えみりさんにもお褒めいただいて嬉しかったです。

描き上げるためのポイントは、描きたい!と思えるものを描くことだと思いました。

はじめての透明水彩画

透明水彩を始めたばかりの 小柏まき です。

今まで鉛筆で絵を描いたり、スマホのアプリを使ってデジタルイラストを描いたりしていました。YouTubeで水彩画を描く動画を観て、色を重ねたりするのが面白そうだと興味を持って、水彩絵の具セットをポチってから、初めての絵を描いてみるまでに数カ月かかりました。

うつ病の症状が快復してきたとはいっても、水を用意してどっしりと腰を落ち着けて絵を描くことを行動に移すまでが億劫でした。

 

 目次

 

モチーフ選び

絵の具や筆の使い勝手を知るために、とりあえず何か描いてみたいと思いながら、何を描けばいいのかわかりませんでした。

初心者は、細かく輪郭を取らなければならないようなモチーフよりも、丸い果物などが描きやすいらしいので、リンゴの画像を見ながら描いてみました。

 

紙選び

なにせ絵と呼べるものになるかどうかわからないので、高価な紙を使うことに抵抗がありました。手元にある中で最も安い、100円ショップのらくがき帳を使うことにしました。紙の薄さと粗さが特徴だと感じたので、2枚重ねで使用してみました。

 

下描き

初めは下描きを鉛筆でしようかと思っていましたが、水や筆を準備していたらそのまま描き始めたくなったので、気負ってハードルを上げる工程は省くことにしました。

 

描いてみた感想

メインで使いたい色(赤)よりも、光の加減で所々に感じる色(黄色・青)を先に塗っておいて、その上からメインの色を重ねることで仕込んだ色をニュアンスとして透かすことができるのではないかと考えて、黄色や青の上に赤を重ねました。

赤を重ねてみると、思った以上に仕込みの色が強く出ました。乾かしてから再度赤を重ねてもあまり効果が無いように感じたので、次は白を重ねてから赤を重ねました。

左下の影の色も、どちらかというと紫っぽい暗い色にしようとして、あらかじめ薄く入れたつもりの黄色味が強く出てしまいました。

お試し感覚で絵の具を混ぜずに塗っていきましたが、パレットで混色してから塗った方が出したい色にできたのだろうと思います。

また、どれくらいの量の絵の具を水に溶き筆に含ませれば、どんな発色になるかが掴めていなかったために、初めに塗った色が濃かったのかもしれません。

 

透明水彩絵の具の白

透明水彩は、学用品の不透明水彩とは違ったよさがあるものです。小学校の図工の時間には、 “白い部分は白い絵の具で塗る” と指導されました。

実際の絵の具の違いは、色の素となる物質の含有量などが違うだけらしいのですが、透明水彩では「美しい白は紙の白である」という前提で、多めの水で溶いた淡い色味や "あえて塗り残す” 表現を楽しむことができるものです。

私は透明水彩を始めるにあたって、12色セットの絵の具を買いました。しかしそこには、白が入っていたのでした。使ってみるまでは、その理由がサッパリわかりませんでした。

今回の使い方が正当なものかどうかはわかりませんが、今回白が無かったら、困ったときに困ったままでいなければなりませんでした。

 

紙のジレンマ

一発目にして、私は『紙のジレンマ(画用紙のジレンマ)』を感じました。紙のジレンマとは……個人的に勝手に命名した、板挟みの状態を指す言葉です。

水彩画を始めた人がぶち当たる壁のひとつに、

[高価な水彩紙にいつか描くための練習を安価な紙でしようとしても、安価な紙に慣れるだけで、高価な紙は使い勝手が違う。]

[いい紙で練習したいのに、初めから高価な紙に描くことに抵抗がある(お金が掛かる)。]

というのがあると、聞いてはいました。

 

おそらく今回使った紙は、水も色素もよく吸い込み、吸い込んだら吐き出さないタイプでした。

だから先に吸い込んだ色が強く残り、水だけをつけた筆とティッシュで色を抜き取ろうとしても残り続けたのだと考えています。

 

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↑描いた直後

 

↓乾いたあと

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乾いてからの方が色が淡くなり、水を吸って伸びた紙が縮んでベコベコになりました。

乾いたらもっと色が薄くなってしまうかと思っていましたが、あまり変わらなかった印象です。

紙のうねりは想定していた通りでした。

 

気に入った筆

今回はA5の紙を使って、塗った面積も小さかったこともあって、6号の筆を便利に感じました。

また、下描きやペン入れの線が無い分、穂先がまとまりやすい毛質の筆が輪郭を取るのに調整しやすかったです。

絵を描く日常[課さない努力]と[楽しみ]の折衷

お絵描き脳の 小柏まき です。

近頃はすっかり文章を書く意欲が湧かなくなってしまいました。

それどころか、言葉が、単語も出てきづらく、自分で思ったことも忘れてしまうことが多いような気がします。うつ病性の健忘症というヤツでしょうか。

今やテレビのニュース番組でもTwitterの投稿を元にしていたりする時代です。短い言葉を手軽に書き留めておいて、見返すときにも何月何日の何時に呟いたかわかるという面で、とても重宝なので、Twitterの使用頻度が上がっています。

文章を読む能力も低空飛行といった感じで、以前はよく読ませていただいていた方々のブログも、読めないことが続いています。

 

とはいっても、ブログを投稿しない月を作りたくない気持ちがあります。

たまには何か書かないと、自分の中で記事を書くことのハードルが上がってしまうような気がするのです。

 

 

ということで、近頃の私の生きるモチベーションの “絵を描くこと” で出来上がった絵を貼っておこうと思います。

 

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A4サイズの紙に描きました。使った鉛筆はHi-uniのB4のみです。

モデルは英語でメイク動画をアップしているYouTuberの Sichenmakeholicさんです。

 

 

iPhoneの画面の写真を見ながら、頭の中で拡大して描きました。

似ているかどうかでいうと……似ていないかも知れません。

 

本来、写真のような平面を見ながら描くには、縦横に一定間隔のマス目を引いて、それを元に形を捉えていくのが正攻法なのだと思います。これは高校の美術の時間に教科書の絵の模写をしたときに教わった方法です。Google先生によればこのガイドの役割をするマス目を「グリッド」と呼ぶそうです。

 

 

私がきちんと模写の方法を取らなかった理由があります。

  1. 見た物の形を捉える能力を鍛えて、絵が上手くなりたい。
  2. 今できる楽しみをやりたい。

これらの理由で、見た感じを気の向くままに描いています。

 

の「今できる楽しみ」というのは、患っている うつ病と深い関係があります。

今回のうつ病の症状が酷かったとき、絵を描く気力も集中力もありませんでした。手が震えて文字も書けず、それどころか鉛筆を調度いい力で握ることもままならず、出来ないことばかりでした。

私自身、やっとこの大きさの絵が描けるまでに快復したという気持ちがとても大きいです。しかし、反復性うつ病性障害というのは、よくなったり悪くなったりを繰り返すものです。いつ、また絵が描けなくなってもおかしくありません。

また描けなくなってもう二度と描けないまま人生を終えるかもしれないので、「今のうちに描いておきたい」という気持ちも少しあります。しかしそれ以上に、描けるようになった楽しみに浸って喜んでいたいです。

楽しみをちゃんと味わうには、「~でなければならない」といったような、“自分に課すこと” を避けていく必要があります。ツラさが楽しさを上回ってばかりになってしまっては、本末転倒です。

 

絵を描くと、自分の絵の下手さが見えるものです。何度も描き直します。ここで大切なのは、「なんでこんなに下手なんだ」「また直さなきゃ」と落ち込む要素よりも、「前よりはマシになった」「ここまで描けた」と出来たことに気持ちを向けるように意識することです。下手な絵を描いても、誰かに迷惑がかかることはほとんどありません。ネガティブな思考が困った状況を防ぐためのものだと考えれば、趣味においてはほとんどの場合無視していいものだと思います。

私は楽しくて絵を描いています。

ずっと絵を描き続けている人に比べれば、能力が劣っていて当然です。でもだから、描ける今に沢山描きたいですし、そのためには描くことを嫌いになりたくありません。

 

主治医も、集中力が戻ってきたことなどを含め、私の趣味を肯定してくれました。心強いです。

母の髪を切る新しい日常

文章を書く意欲があまりない日々を送って久しい 小柏まき です。

文章を書くときに使う脳と、絵を描くときに使う脳は、きっと部位が違うのだろうと、そして今は絵を描くときに使う脳が働きやすい時期にあるのだと解釈しています。

 

 

新型コロナ感染拡大防止のための外出自粛要請後、すっかり行かなくなったのが美容院です。

とはいえ私は元々、社交不安障害の症状で苦痛の方が勝ってしまうため自分の髪は自分で切っています。美容関係の人が見れば、出来の悪い髪型をしているかも知れませんが、自分の気ままにしているというのは気楽なものです。昔からロングなことがほとんどなので、自分で切り揃えるのも大した苦労はありません。

私自身の髪はそれで問題ないのですが、美容院に行かなくなって困ったのは母親です。

母はいつも美容院ではカットと白髪染めをしていました。パーマをかけなくても程よくふんわりするタイプの毛量の多い天然パーマです。それ故、髪型はいつもショートカットです。伸びてくると目に見えて髪型が崩れてきますし、白髪も目立ってきます。

そこで、私が母のお抱え美容師もどきになることになりました。

 

……それから数ヶ月、もうずっと美容院に行っていない母の髪は、伸びてくるたびに私がカットし染めています。

人の髪を、ましてや大人の髪を切るなんて、今までの人生でも経験して来なかったのに、今では当たり前のように切る機会があります。

何度かやっているうちに、頭の形とどれくらい切っていいかが、ド素人なりに掴めてきた気がします。

 

カットしてシャンプー、タオルドライ後の髪型はこんな感じです↓ 

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天然パーマなのでハネているところがありますし、どうやっても上手く写真に撮れませんでした。

髪型として成立している、と思いたいです。白髪染めは、また日を開けてやりました。

 

 

きっとこの、髪を切ることで使う脳も、絵を描くのに使う脳と同じような部位なのだろうなという風に思っています。

不登校でも生きてて

小学4年の途中から、中学校卒業まで不登校だった 小柏まき です。

 

テレビの情報番組で、「夏休み明けは生徒の自殺率件数が増える」「不登校の生徒が、コロナ禍の夏休み短縮などの影響で尚更学校に行きづらくなる」という内容を扱っていました。

元々そのテレビ番組を意識して見ていたわけではなく、たまたま家族が付けていたのをチラッと見ただけなので詳しい内容はわかりませんでした。

 

 

私自身も、不登校だった当時は家庭と学校が世界のすべてでした。

大人になった今も、子どもの頃とは別の大きな世界で生きている感覚ではありません。人は誰でも、置かれた環境、所属している場所の人たちで構成された小さな社会を幾つか持っていて、そこを行き来しているのだと思います。

不登校だった頃は、不登校児童・生徒” という肩書を持っていて、家族や親戚や近所の人に不登校の子として扱われていることが多かった……というか、不登校という要素を抜きにして扱われていたことがあったかどうか、ちょっと考えただけでは思い出せないくらい少ないです。

そうやって常に “不登校児” だった私は、自分の体調不良や学校へ行くのが怖くて仕方ない気持ちを悪いもののように思っていましたし、そんな自分が嫌でした。

「消えてなくなりたい」「逃げたい」と何度思ったかわかりません。

 

それでも私は、今もこうして生きています。

病人として、大人として、人間として。まだ一度も途切れずにいるから、今も続いているのです。

生きていればいいことがある、とは言い切れません。言えるのは、生きていればいいことがある可能性があるかもしれない、ということです。

このブログが、画面一つ通して、過去の私のような人に届くといいなと思います。言葉にすれば伝わるとは限りません。ただ、言葉にすれば伝わる可能性があるかもしれません。

 

生きていることは致死率100%です。

100年後には、私のことを直接見知って覚えている人は、おそらく居ません。

 

 

小学4年の途中から授業を受けていない私は、学校に行っていた人が受けた図工の授業を羨ましく思います。

中学の授業を1つも受けたことのない私は、学校に行っていた人が受けた美術の授業を羨ましく思います。

でももし今、目の前に当時の不登校の私が居たとしても、「学校へ行きなさい」とは言いません。「死なずにいたから、今も生きてるよ。」と、言うかもしれません。